安全衛生のネタ 冬編|転倒・一酸化炭素・雪の作業を朝礼で伝える
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毎週の講話は、朝礼などで使う短い話の既製品です。雇入れ時・作業内容変更時の教育や特別教育など、法令で義務付けられた安全衛生教育の代わりにはなりません。
訳は当方で作成した既製品で、専門の翻訳者の監修を受けたものではありません。大事な指示は、本人が理解できたかを現場で確かめてください。
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冬の安全衛生のネタは、凍った通路での転倒、一酸化炭素中毒、除雪・雪下ろしの作業、冬道の運転の4つから選ぶと組み立てやすくなります。どれも労働局などの公的な資料で、冬に注意するよう呼びかけられている内容です。外国人が働く現場では、1回の朝礼で話すネタを1つにしぼり、短い文と実際の場所を見せながら伝えるのがおすすめです。
冬の安全衛生ネタは4つの柱から選ぶ
冬は、雪や寒さのために、ほかの季節にはない危険が増えます。厚生労働省の労働局が出している資料をもとにすると、冬のネタは次の4つの柱に分けられます。
- 転倒:雪や凍結した通路・駐車場・出入口ですべる
- 一酸化炭素中毒:換気の悪い場所で、火気や発電機・エンジンを使う
- 雪の作業:除雪機の詰まりの除去や、屋根の雪下ろし
- 冬道の運転:スリップによる交通労働災害
宮城労働局のページでは、転倒は休業4日以上の死傷災害のうち最も多く発生している労働災害であり、冬季の転倒は積雪や低温による通路等の凍結によって発生している、と説明されています。まず転倒から話し、雪が降る地域や、屋内で火気を使う作業がある現場では、ほかの柱も順に取り上げるとよいでしょう。
冬のネタ早見表|場面・対策・朝礼の一言
次の表は、公的な資料にある内容をもとに、ネタごとの起きやすい場面と対策の例、朝礼で使えるやさしい日本語の一言をまとめたものです。一言は例なので、現場の作業に合わせて言いかえてください。
| ネタ | 起きやすい場面 | 資料にある対策の例 | やさしい日本語の一言(例) |
|---|---|---|---|
| 転倒 | 雪や凍結した通路、敷地内の通り道 | 滑りにくい靴や手袋の着用、ポケットに手を入れたまま歩かない、危険マップの作成と周知 | こおった みちは すべります。てを ポケットから だして あるきましょう。 |
| 一酸化炭素中毒 | 換気の悪い場所での火気、冬場のコンクリート養生、トンネル等での発電機・エンジン | 換気で一酸化炭素を除去してから作業する、呼吸用保護具を備え付ける | しめきった へやで ひや エンジンを つかいません。 |
| 除雪作業 | 除雪機械の回転部分に雪などが詰まったとき | エンジンを止め、回転が完全に止まったことを確認してから対処する | ゆきが つまったら、まず エンジンを とめます。 |
| 雪下ろし | 屋根の上、はしごの周り、雪が落ちる場所 | ヘルメットと要求性能墜落制止用器具の着用、落下の危険がある場所の立入禁止 | やねの うえでは ヘルメットと ベルトを つけます。 |
| 冬道の運転 | 通勤や現場への移動 | 冬用タイヤ・タイヤチェーン等の装備、余裕を持った出発 | ゆきの ひは はやく でて、ゆっくり はしりましょう。 |
ネタごとの話し方と例
転倒|「手をポケットに入れない」を合図にする
鳥取労働局のページでは、ながら歩きやポケットに手を入れたまま歩くことを禁止すること、滑りにくい靴や手袋の着用を勧めることが挙げられています。寒い朝は手をポケットに入れがちなので、「てを だす」という動きを合言葉にすると、言葉が短くても伝わりやすくなります。ヒヤリハットをもとに危険マップを作ることも示されているので、凍りやすい場所を図や写真で見せるのもよい方法です。宮城労働局のページでは、「4S」や床面の水濡れの除去などの一般的な対策に加えて、労働者自身が十分に注意することも必要なので労働者にも周知啓発するよう書かれています。
一酸化炭素中毒|「においがない」ことを伝える
北海道労働局のページでは、一酸化炭素は無色・無臭で、その存在が感知しにくい気体だと説明され、災害が起きやすい場面として冬場の土木作業におけるコンクリート養生作業や、トンネル等でのガソリンエンジン・発電機の使用が挙げられています。職場のあんぜんサイトの災害事例には、内容積約6.8m3のほぼ密閉されたコンクリート製の減圧弁室で、養生用の練炭から出た一酸化炭素により、型枠解体作業中の作業者が中毒になった例があります。室内に練炭の臭いがしたためマンホールを開けてしばらく作業を見合わせたものの、作業を再開した後に体調が悪くなっています。この事例は「においが消えたから大丈夫」とは言えないことを伝える材料になります。事例の対策には、換気によって一酸化炭素を除去してから作業させることや、防毒マスク等の呼吸用保護具を備え付けて必要に応じて使わせることが書かれています。
雪の作業|「止めてから手を出す」を繰り返す
除雪機の詰まりは、急いでいるときほど手を出しやすい場面です。鳥取労働局のページでは、除雪機械の回転部分に障害物や圧雪等が詰まったときは、エンジンを止め、回転が止まったことを確かめてから対処するよう示されています。雪下ろしでは、ヘルメットと要求性能墜落制止用器具を着けさせること、悪天候や雪がゆるんでいるときは作業をやめることが挙げられています。実物の器具を手に取って見せながら話すと、言葉だけより伝わりやすくなります。
冬道の運転|出発前の準備を話す
同じページでは、冬用タイヤやタイヤチェーン等の装備、気象に合わせた走行計画と余裕を持った出発、急ハンドル・急ブレーキ・急発進をしないことが挙げられています。車で現場に向かう人が多い日は、朝礼の最後に「きょうは ゆきです。ゆっくり はしりましょう」と一言添えるだけでも、注意を向けるきっかけになります。
外国人のいる現場で冬のネタを伝える手順
雪道を歩いたり運転したりした経験は、人によって大きく違います。経験の有無を決めつけず、全員に同じように説明するつもりで進めると安心です。
- 天気と作業からネタを1つ決める:鳥取労働局のページでは、気象情報を把握して注意を呼びかける体制を作ることが挙げられています。雪や冷え込みの予報が出た日は転倒、屋内で火気を使う日は一酸化炭素、のように選びます。
- 危ない場所や道具を実際に見せる:凍りやすい通路、発電機を置く場所、除雪機のエンジンの止め方などを、その場で指さしたり手に取ったりして見せます。
- 短い文で話し、母語の対訳を添える:1つの文に1つのことだけを入れ、やさしい日本語と母語の両方で読めるようにします。
- 聞き返して確かめる:「ゆきが つまったら、なにを しますか」と聞き、言葉や動作で答えてもらいます。
- 話した内容を記録する:日付、ネタ、参加者を残しておくと、次の冬に同じネタを使うときや、話し忘れたネタを見つけるときに役立ちます。
冬の講話を使うときに気をつけたいこと
朝礼の安全の話は、注意を思い出してもらうための短い時間です。雇入れ時や作業内容変更時の教育、特別教育、職長教育など、法令で決められた安全衛生教育の代わりにはなりません。一酸化炭素中毒の事例でも、原因の1つに作業者への安全衛生教育が行われていなかったことが挙げられており、対策として労働衛生教育を行うことが示されています。朝礼の話はそうした教育を補うものとして使い、教育そのものは別に行ってください。
また、講話をしたからといって事故を防げるとは限りません。換気の確認、除雪や融雪剤の準備、器具の点検など、現場の対策と組み合わせることが大切です。雪の量や気温、冬の取組の内容は地域や年によって違います。その冬に行われる取組や細かな手続きは、管轄の労働局や労働基準監督署のページ・窓口で確かめてください。
よくある質問
冬の安全衛生のネタには何がありますか?
凍った通路での転倒、一酸化炭素中毒、除雪・雪下ろしの作業、冬道の運転の4つが主な柱です。どれも労働局などの公的な資料で冬に注意するよう呼びかけられている内容です。
冬の転倒について、朝礼では何を伝えればよいですか?
滑りにくい靴や手袋を使うこと、ポケットに手を入れたまま歩かないことなどが資料に挙げられています。凍りやすい場所を危険マップや実際の場所で見せると伝わりやすくなります。
一酸化炭素中毒の話で大切なことは何ですか?
一酸化炭素は無色・無臭で、存在に気づきにくいことです。災害事例では、練炭の臭いで作業を見合わせた後、再開してから中毒になっています。換気して一酸化炭素を除去してから作業することが対策として示されています。
除雪機が詰まったときはどうするよう伝えればよいですか?
エンジンを止め、回転が止まったことを確かめてから対処するよう伝えます。「ゆきが つまったら、まず エンジンを とめます」のような短い一言にすると覚えやすくなります。
朝礼で冬の安全の話をすれば、法令で決められた教育をしたことになりますか?
なりません。朝礼の話は、雇入れ時や作業内容変更時の教育、特別教育、職長教育など法令で決められた安全衛生教育の代わりにはならないため、教育は別に行う必要があります。
出典
- 転倒災害の防止(宮城労働局・掲載日不明(閲覧日 2026-10-27))
- 積雪・凍結に注意!!(鳥取労働局・2023年度トピックス掲載(閲覧日 2026-10-27))
- 一酸化炭素中毒(北海道労働局・掲載日不明(閲覧日 2026-10-27))
- 職場のあんぜんサイト 労働災害事例「養生用練炭による一酸化炭素中毒」(厚生労働省・掲載日不明(閲覧日 2026-10-27))
- 外国人労働者の安全衛生管理(厚生労働省・ウェブページ)
- 外国人労働者安全衛生管理の手引き【全体版】(厚生労働省(令和4年度委託事業)・令和5年3月)
- 業種別の教材(建設業に従事する外国人労働者向け教材)(厚生労働省・ウェブページ)
- 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「安全衛生教育」(厚生労働省・ウェブページ)
- 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「危険予知訓練(KYT)」(厚生労働省・ウェブページ)
出典の確認日:2026-10-27
この記事は、公開日時点の公的資料をもとにした一般的な情報です。法令で義務付けられた安全衛生教育の代わりになるものではありません。事業場ごとの判断は、労働基準監督署などにご確認ください。